ゆるゆるケア【アキラがいなくなっちゃった!(ひとりお出かけのトラブル)】

 みなさんこんにちは。品川区で若年性認知症の夫アキラと暮らすミホ(50代・女性)です。今回はアキラがいなくなった時のことを書こうと思います。

 アキラはお出かけが大好き。家にいるとソワソワして落ち着かなくなる時があります。いつものバックを背負って帽子をかぶって「行こう行こう」と誘ったり、勝手に出て行ったり・・・。「2025年1月のゆるゆるカフェのご案内と前回12月のご報告では、GPS付の携帯や個人情報のわかるグッズを持たせて一人で外出させたことを書いています。約1年たって、アキラ一人での外出は難しくなっってきました。トイレの問題やお店や駅での支払いのトラブルなどのためです。
 我が家はたまたま電子錠で、そのダブルロックのつまみの取り外しが簡単なことが分かって、つまみを外して
アキラだけでは出れらなくしました(つまみ自体の劣化が進みそうで怖いけど)。
 私の実家の母は脳血管性の認知症で、いつのまにか家を出てしまうことが何度かあったそうです。父は昔ながらの南京錠を玄関ドアの上のほうに付けて対策したそうです。

 アキラがいなくなった時に居場所を探すツールをGPS付の携帯電話のほかにいくつか増やしました。私はiPhoneユーザーなので「アップルタグ」を購入しました。自宅のカギとアップルタグ装着用の穴が開いている靴の中敷きにセットしました。アップルタグ専用のキーホルダーをズボンのベルト通しに付けているお友達もいます。うちはズボンには百円ショップのダイソーさんの「紛失防止タグ」をファスナーケースに入れて付けました。ズボンや服に付けるタグは朝イチ、着替えの時に付けておくと安心ですね。靴も同様ですが、アキラはたまに左右で違うものを履いたりするので、たまに役にたたないときもあります。

 タグ類は、位置の反映にタイムラグがあります。余裕があるとき使ってみて慣れておくといいですね。また携帯電話もタグ類も大きな建物に入ると階数が分からなかったり、正確に場所が反映されず却ってすれ違うことがあります。焦らないで店舗・建物の受付や警備に相談するなどしてみましょう。
 当人の携帯電話への連絡は、認知症の症状によっては控えたほうがよいかもです。去年12月に電車ではぐれたとき、アキラの携帯電話になんどか電話しました。アキラが携帯電話を使った形跡はあるのですが、結局は途中下車した駅に落としたようで、駅に落とし物として届けられていました。貴重な追跡ツールとバッテリの維持を優先したするべきでした。

 我が家はこれまで何度か警察のお世話になっています。当人の所在がわからなくなったら、適切に早めに警察に連絡するほうが良いようです。「近くの公園」や「最寄りの駅」など候補の場所に探しにいってくれたり、広範囲に情報共有してくれたりします。ただ電車など交通機関に乗っているときは、GPSをつけていても移動範囲が広いので対応できなかったりします。警察の方は電車を降りてからが勝負です。GPSで発報された位置や方向を伝えると近くの警察官の方が見に行ってくれたりまします。鉄道などは各社に連絡しておくと、改札で当人が手間取っているのに気が付いて、保護してくれたりします。

 これまで「もう会えないか」と思うほどの大きな騒動(捕り物?)は3回あります。3回のうちの初めは昨年7月、静岡県の私の実家に帰るときのことでした。京浜急行線で品川方面から電車に乗り、乗り換えのため横浜駅で降りました。ホームで180°方向転換をして改札への階段を下りようとしたのですが、私がほんの数歩先にいて、3秒後に振り返ったときに、アキラはいませんでした。この日は朝早かったので「紛失防止タグ」を服に付け忘れ、アキラの携帯電話のバッテリも切れていました。しばらく落ち着いていたので油断していました。何度も使っていた乗り換えルートだったので、先にいったのか?とかほかのルートに行ったのか?と半狂乱でうろうろしました。そのあと横浜駅前の交番に届け出ました。警察の方には「自分で探すよりも早く届け出ていただたほうがいいです」と言われました。警察の方と京浜急行の駅員さんがホームの監視カメラを見て、アキラが階段を下りずに乗ってきた特急列車に駆け乗ったのが判明しました。小一時間後、アキラは自分で電車を降りたらしく、京浜急行の先の駅(普通列車しか止まらない駅)の改札で保護されました。迎えに行ったとき、アキラは警察の方に付き添われていて「ああ、ミホちゃん来たの?」と気楽な感じでした。ホッとしました。

 時期的なものかもしれませんが、この時が認知症の症状が一段階進んだ時のような気がします。この日いつもよりぼーっとしているようだったでより気をつけました。手を引いたら素直に従いました。それ以来、お出かけの時、駅や交通機関では手をつなぐようになりました。当人も安心するようです。新婚時代にもほとんど手をつないだこともないのに、不思議なものですね。


 認知症の周辺症状として「徘徊」というのがありますが、私はこの言葉が大嫌いです。どっかにいってしまう本人、でも本人にはそうしなければいけない理由があるのではないでしょうか。「家族のために仕事に行かなきゃ」「夕飯のために買い物しなきゃ」とか。アキラが勝手にどっかにいくのではなく、私がアキラを分かってないだけです。理想論ではありますが、よく話し合って理解しあえるのがよいと思います。
 実家の母が外に出てしまったとき、あとで話を聞くと「(数年前に死んだ)飼い犬を探しに行った」と言ったそうです。私は「
もしかしたら高校生の私を探しに行ったのかな」と思っています。私は不良ちゃんではなかったけど、一度部活で遅くなった帰り道、外を歩いていた母と会いました。母は私を「探していた」とのこと。「できるだけ心配かけないようにしよう」と思いました。もしかしたら母も一人で考え事でもしたかったのかもしれませんが。

 地域の行政やケアマネさんに相談すると、補助のあるGPSグッズを教えてくれたり、外出に付き添ってくれるヘルパーさんの事業を教えてくれたりします。認知症の本人・家族の話を聞くのもよいと思います。アキラのお出かけを制限するのではなく、スムーズに外出できるようにサポートしたいと思います。これからもいろんなところに出かけたいです。

<写真について>
上;アキラが一人で出て行ったときの服装です(捜索グッズは持たせていました)。靴が左右違い。このまま上野の恩賜公園の展覧会を見に行きました。気に入っている写真です。
中1;Apple社のアップルタグを装着できる市販の靴の中敷きです。
中2;左からダイソーさんの
紛失防止タグ、品川区の「見守りアイテム」、自宅のカギに付けたアップルタグ。
下;2025年7月にアキラが保護された京浜急行「京急富岡駅」からの景色です。天気が良い日でホッとしました。

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